代表作品

狭小二世帯の家 N邸

敷地面積
:66.0㎡
建築面積
:38.6㎡
床面積
:144.3㎡
建物規模
:地上3階建て、地下1階

広く住むことにこだわった家
20坪の敷地に2世帯の家族がのびのび暮らすためにの家を建てました。各家族の暮らし方を考えた結果、広くするスペースと狭くするスペースを作るというシンプルな答えをだしま した。その結果、ゆとりある住まいが誕生しました。

1. 敷地から

文教地区の古い町並みを残すこの町に住み続けたいと願ったNさんは20坪の土地を見付けました。
道を挟んだ向かいの庭には大きな桜の木があります。それを借景にして広々としたダイニングキッチンを中心にした家にしました。

2. 世帯のカタチ・・・

それぞれが生活の時間やパターンが違うため、みんなの集まる場所としてダイニングキッチンを2階の中心にすえました。
各個室は寝るのに十分なスペースを確保し、普段必要なもの(衣類や書籍)のみ置き、それ以外は地下のクローゼットへ収納することにしました。身の回りにあるもので使わないものを見直すことで可能になりました。それにより広くのびのびとした空間が実現できました。

3. 広く感じるダイニングキッチン

一日の時間を多く過ごす2階のダイニングキッチンは12畳ほどの広さがそれ以上に感じられる空間です。視線が抜けるように工夫しているからです。階段との間には壁ではなくたて格子にすることで視線と風と光が抜けます。キッチンとはカウンターで仕切り目線は通るようになっています。スッキリ見せるために家電などはカウンターの中に入れ見えないところに収納できるようになっています。この計画のポイントは視線や光、風が抜けることにあります。リビングに掛かる梁が部屋の雰囲気をつくっています。

4. 落ち着きのなかにも変化のあるインテリア

木の風合いが感じられる落ち着いた雰囲気のなかで好きな音楽を聞きながらすごせる空間に仕立てました。木をキーアイテムにしながら階ごとに違った味わいを出しています。
1階はカリンの赤い床と木の格子が白壁と混じりあい暖かい感じを出しています。2階はウォールナットのこげ茶色の梁が際立つ空間になっておりクラシックな感じが時の流れをゆるやかにします。
3階は明るいロフトライフが送れるようにメープルの白木を基調としたインテリアに仕上がっています。地下はAVルームと和室が一体になっているので、白い和室の木地とAVルームのシックな雰囲気をコンクリートの梁が調和させています。素材の風合いを生かすインテリアになっています。

5. コンパクトにまとまったキッチンまわり

キッチン周りは何かとモノが多い場所です。きっちり収めるところを決めて配置しています。ゴミ箱の位置、炊飯器やポットの位置なども定位置が決まっています。効率よく収めることで省スペースで余裕をもった収納ができました。
一度に2、3人がキッチン内に入っても使えるように、寸法を調整しました。目指したのは広すぎず、狭すぎず、ゆったりしたキッチンです。

6. 風通りがいい

3階は子ども世帯です。ホールはワークスペースになってます。その両端は各部屋になっていてマドを明けると風が通りぬけて生きます。トップライトによってり明るく開放的なロフト空間が実現できました。

7. スペースに役割を・・・

ホールはワークスペースになってます。長さ3.0mのカウンターテーブルがあり親子で使えるようになっています。
ワークスペースを共有することで各部屋を広く使えます。

計画のポイント

家族の場所と個々の場所にメリハリを設けました。
家族の場所は広くゆったりと確保し、個々の場所は必要最低限の広さ+α程度のゆとりにする。これにより外観より想像できないくらいのゆったりとした住まいが出来ました。

余談・・・ご近所さんとツウ・カーのNさんは皆さんに20坪の土地に2世帯で暮らす家を建てると言いました。皆さんは、
本当?と言いました。でも実際出来た家を見て、外からは想像できないくらいゆったりとした内部に「想像できない」と言ってくれるそうです。